醤油の主な原料は大豆、小麦、食塩です。
今回は大豆についてお客様からこんな質問をされました。
醤油の原材料の部分で脱脂(だっし)加工大豆ってあるけど、大豆とどう違うの?何か怪しい大豆なの?
そんな疑問にお答えします。
この記事では以下の内容が分かります。
醤油に使う大豆を知ることによって、醤油選びに役立ちます。
醤油に使われる大豆は2種類
醤油原料の大豆は丸大豆と脱脂加工大豆があります。
その昔、醤油の原料は丸大豆が使われていました。丸大豆には多量の油が含まれていて、醤油を作る過程で変化し、醤油になった状態で上部に油として浮いてきます。
浮上した油は醤油と分離され、石鹸の原料や切削油として使われてきました。
脱脂加工大豆って何?
第二次世界大戦の前後より、しょうゆメーカーは、大豆の中に含まれる約20%の油脂分をあらかじめ取り除き、しょうゆの原料として脱脂、加工された「脱脂加工大豆」を使うようになりました。
(しょうゆの不思議 第2版 P26から引用)
脱脂加工大豆はその名の通り大豆から油を抽出した後に残ったものです。
全生産量のうち、脱脂加工大豆を使う醤油が82%と圧倒的に多いのです。
脱脂加工大豆についてたまにこんな質問をされることがあります。
脱脂加工大豆って大豆の搾りカスなんでしょ?
半分正解で半分不正解といったところですね。
大豆を搾ったのは確かですが、搾りカスではないです。
脱脂加工大豆は大豆油を採油する際に醤油醸造用にたんぱく質含量や粒度を特別に調整した専用品で、1940年頃から使われるようになりました。
油をあまり含まない分、旨味成分の指標となる窒素分が高く、フレーク状になっているため、成分の分解や溶出も速いという特徴があります。
(醤油を見つけて醤油を知り醤油を楽しむ本 醤油本 P37から引用)
一般的に脱脂加工大豆の醤油は味にキレがあり、丸大豆の醤油はまろやかと言われています。
でも何故ここまで脱脂加工大豆が多いのでしょうか?
それは丸大豆より安価で短時間で旨味成分の高い醤油が作れるからなんです。
大量に生産するには安価で短時間で作れるほうが製造メーカーとしても使い勝手が良い事からこれだけ使われているんですね。
醤油に使う大豆 まとめ
- 醤油に使う大豆には2種類あって、「丸大豆」と「脱脂加工大豆」。
- 脱脂加工大豆は醤油に使う全生産量の8割使う大豆。
- 丸大豆より安く、短時間で旨味成分の高い醤油が造れます。
- 結果的に市場には売値も安価で消費者に提供されるメリットがあります。